Exhibitions

時代を切り開く最先端の科学と芸術の研究機関や表現者による特別展覧会

本展覧会の舞台となる戸定邸は、水戸藩最後の藩主であった徳川昭武により建てられ、当時最先端の庭園に囲まれていました。昭武自身も海外で教育を受け、常に新しい文化や技術を取り入れるグローバルな先駆者の一人でした。その歴史ある革新の場で、私たちを囲む豊かな自然と、生命の惑星である地球、そしてこれから人類が踏み出す宇宙へと広がる、未来の世界を考える展覧会を開催します。

戸定邸の広間では、オーストリア・リンツを拠点にする世界的なメディアアートの文化機関「アルスエレクトロニカ」 との共同キュレーションにより、アルスエレクトロニカにおける受賞作品をご紹介する「Prix Ars Electronica Selection – Space of Imagination」。ノーベル物理学賞を受賞し日本を代表する研究機関「東京大学宇宙線研究所」から最新映像と光電子増倍管の展示。そして、英国ロイヤル・カレッジ・オブ・アートと東京大学生産技術研究所が共同設立した「RCA-IIS Tokyo Design Lab」と「東京大学空間情報科学研究センター」による戸定邸バージョンの未来トンネルなど、全館を巡りながら多様な作品をご体験いただくことができま。

Prix Ars Electronica Selection

Space of Imagination

科学は新たな知識を生み出し、芸術は新たな対話を生み出す。

どんな答えも簡単に検索できてしまうかのようなデジタル時代、アーティストたちは新たな好奇心を触発する機会を創造しています。

佐々木有美と滝戸ドリタによる「Bug’s Beat」は、身の回りに生息する小さな生き物たちの足音を増幅することで、足元に広がるミクロな世界の存在を気づかせます。クアッドラチュアによる「Positions of Unknown」と「Orbit」は地球を周回する未知の物体の位置を示す作品を通して人間には認識不能なマクロな宇宙へ誘います。アルスエレクトロニカ・フューチャーラボの「Flower of Time」は様々な速度で回転する針の動きによって連想される事柄を来場者から集め、時間の多様性と伸縮性を市民と一緒に考えます。

この展覧会では、アルスエレクトロニカの受賞作品の中から、私たちに新しいイマジネーションの「スペース」を与えてくれる作品に着目し、これからの芸術的な探求のあり方について議論を深めます。

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Photo credit: Nicolas Ferrando, Lois Lammerhuber
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Ars Electronica

アルスエレクトロニカとはオーストリア・リンツに拠点を置く、メディアアートの文化機関。毎年9月にアート・テクノロジー・社会をテーマに行われる「アルスエレクトロニカ・フェスティバル」の他、美術館・科学館としての「アルスエレクトロニカ・センター」、メディアアートの最先端コンペティションである「プリ・アルスエレクトロニカ」、R&D機関である「フューチャーラボ」の4部門を軸に、未来の人と社会を描き続けている。 ars.electronica.art

Flower of Time

作品タイトル:フラワー・オブ・タイム
展示場所:戸定邸(戸定歴史公園内)

Flower of Timeは、時間についてのイメージと、時間の使い方のアイデアを視覚化した参加型の作品です。
回転速度が異なる時計の針が床の上に置かれています。時計の針の周りには、来場者によって書かれた時間についての様々なアイデアの花びらが置かれています。私たちは時間が一定の速度を持つものだということ知っている一方で、時間に対する感覚は人それぞれで異なり、状況によっても伸び縮みすることを、日常の中で経験しています。
来場者によって作られた時間の花は、私たちの時間と時間に対する感覚を明らかにするでしょう。

ARTIST   

Ars Electronica Futurelab

アルスエレクトロニカ・フューチャーラボは、アート×リサーチのためのアトリエ・ラボです。アルスエレクトロニカのシンクタンク部門として、1996年よりアート・テクノロジ・社会についての研究開発を実践してきました。人工知能、ロボット工学、メディア建築、インタラクティブ技術、新しい美学やスォームインテリジェンスなど最先端領域に着目。まだ見ぬ未来へのシナリオを芸術・実験的に具現化してきました。最先端研究成果を社会に向けてアクセス可能にし、その社会的な意味やインパクトの議論を深めるために活動を展開しています。

ars.electronica.art/futurelab

オーストリア

Orbits

作品タイトル:オービッツ
展示場所:松雲亭(戸定歴史公園内)

宇宙を漂う人工物の軌道を表す映像と音響のインスタレーション。この作品では、私たちの周りを回転する人工衛星や宇宙ゴミの軌跡がシュミレーションされています。混沌とした軌道の有機的なパターンへの変化は、純粋に物理法則のために生まれるものです。
Quadratureが人工衛星の位置データを用いて作品を制作し始めた時、その情報はアメリカ空軍によって提供されるウェブの公開データに基づいたものでした。情報公開を促進するNGO組織「憂慮する科学者同盟」は、その公開データに幾つかの物体のデータが足りないことを発見。その足りない衛星のデータは熱心なアマチュア天文家が夜空の観測から得たものでした。
権力と市民が提供する2つの異なる情報データを重ね合わせ、アートの問題提起とサイエンスの事実への厳密性が融合することで、この作品は市民参加、つまりシチズン・サイエンスの重要性を明らかにしています。

関連作品(映像紹介):Positions of Unknown

Positions of Unknownは、地球を周回する未知の物体の現在の位置を示すインスタレーションです。特定不能な人工物が、憶測であれ、秘密であれ、私たちの惑星とともに存在します。それらは、存在自体は確認されてはいるが、存在と不在の間で生き続けています。52の小さなマシンは、それらの軌道を継続的に指し示し、未知なるモノの静かな目撃者となるのです。

Supported by Ars Electronica Export and Drive VW Group Foru

ARTIST

Quadrature

クアッドラチュアは、ユリアネ・ゲッツとセバスティアン・ナイチュによる機械と宇宙をこよなく愛すアーティストグループ。その芸術的な探求は科学領域に広がり、新しい技術や学術研究を活動の源泉としています。ESO(南ヨーロッパ天文台)とのコラボレーションを行うヨーロッパ・デジタルアート・サイエンス・ネットワークのレジデンスや、プリ・アルスエレクトロニカのインタラクティブ・アート+部門のHonorary Mention受賞など国際的に活躍しています。

quadrature.co

ドイツ

Bug’s Beat

作品タイトル:バッグス・ビート
展示場所:戸定邸(戸定歴史公園内)

Bug’s Beatはその虫の足音を拡張し、指向性スピーカーによってダイレクトに人の聴覚へ届かせ、また虫が歩くたびに振動スピーカーによって、観賞用の椅子が振動し、体感として音を感じさせる作品です。見ている小さな虫[視覚]に対して、その虫の足音が大きな音[聴覚] が聞こえ、振動として[体感]できます。視覚と、実際の聴覚、体感による身体的な聴覚とのズレが起こり、自分自身や 小さな生命の縮尺に対して、脳の混乱を起こします。視覚と音響によって、新しい感覚を呼び起こし、価値観をもたらす、生命と音響の体験型作品です。

ARTIST

滝戸ドリタ + 佐々木有美 ​

滝戸ドリタは、東京を拠点に活動するアーティスト、デザイナー、ディレクター、ミュージシャン。視覚と味覚、聴覚と視覚など、常に異なる感覚を混ぜ合わせ新しい体験を生み出し、テクノロジーとデザインが引き立つ作品で知られています。佐々木有美は東京に生まれ、東京の科学館に勤務。子供たちに向けて、どう遊びや学びを科学教育に活かすか探求しています。Bug’s Beatは、プリ・アルスエレクトロニカのデジタル・ミュージック&サウンドアート部門にてHonorary Mentionを受賞。同時に、STARTS PRIZEにも推薦作品として選ばれました。

日本

The Institute for Cosmic Ray Research ICRR

12年ぶりに開かれたスーパーカミオカンデからの最新映像と光電子増倍管の特別展示。そして宇宙線が観測できる霧箱を作成するワークショップを開催します。

スーパーカミオカンデ最新映像と光電子増倍管の特別展示

展示場所:戸定邸(戸定歴史公園内)、松戸観光協会2階(Feel Matsudo)

スーパーカミオカンデは、岐阜県飛騨市神岡町の神岡鉱山の地下1000メートルにある、純水5万トンを満たした円筒形のタンクです。荷電粒子が水中を高速で走るときに発せられる、チェレンコフ光という青白い微かな光を捕えるため、タンク内面に直径50センチの光電子増倍管が約1万1100本、取り付けられています。1996年4月に実験を開始しました。陽子崩壊の探索による大統一理論の検証が当初の目的ですが、素粒子ニュートリノの性質を探る実験にも利用され、梶田隆章博士のノーベル物理学賞につながる大きな成果を挙げています。

ICRR

東京大学宇宙線研究所

東京大学宇宙線研究所は、宇宙線の観測と研究とを様々な角度から行っている大学共同利用の研究所であり、宇宙ニュートリノ、高エネルギー宇宙線、宇宙基礎物理学の各研究部門があります。東京大学柏キャンパスにある本部に加え、国内4か所の観測施設(神岡宇宙素粒子研究施設、重力波観測研究施設、乗鞍観測所、明野観測所)と海外4か所の観測拠点(チベット・ヤンパーチンの高原、アメリカ・ユタ州の砂漠、スペイン・カナリー諸島ラパルマ、ボリビア・チャカルタヤ山)で研究を進めています。

www.icrr.u-tokyo.ac.jp

 

写真提供:東京大学宇宙線研究所

RCA IIS Tokyo Design Lab
Center for Spatial Information Science

戸定邸と富士山をつなぐ音のインスタレーション

展示場所:戸定邸(戸定歴史公園内)

2018年5月に開催した東京外環高速道路の開通記念イベントで、トンネル内に設置した音と映像のインスタレーション「未来トンネル」。今回は戸定邸と富士山をつなぎ、山びこや自然界の音をリアルタイム通信します。自然と生き物、そしてIoTと人工知能をつなぐ、東京大学の先端科学技術を活用した体験型アート作品です。

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Tokyo Design Lab

RCA-IIS Tokyo Design Lab は、2016 年 12 月に設立された、東京大学生産技術研究所とロイヤル・カレッジ・オブ・アートが協 同で行うデザインプロジェクトです。

東京大学生産技術研究所(IIS)
工学のほぼ全ての分野をカバーする東京大学の付置研究所です。5 つの研究部門と研究センター群から成り、約 160 の研究室が 活動しています。工学の諸問題の解決・学問と実践の橋渡し・人材育成を使命としています。古くはペンシル型ロケット(糸川 英夫)や二酸化チタンの光触媒機能(本多健一、藤嶋昭)を生み出し、現在もオリジナリティー溢れる最先端技術を数多く生み 出しています。

ロイヤル・カレッジ・オブ・アート(RCA)
 イギリスのロンドンにある王立の美術大学。修士号と博士号を授与する美術系大学院大学としては世界で唯一の学校。2015 年 の QS 世界大学ラ ンキングではアート・デザイン分野で世界 1 位に選ばれています。多方面に著名なアーティストやデザイナー を排出し続けており、世界最古の美術 大学でもあります。1980 年代からデザインエンジニアリング教育を続けており、この分 野の世界的教育リーダーでもあります。

 

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東京大学空間情報科学研究センター

東京大学空間情報科学研究センター小林研究室では計算機を介した人と生態系のインタラクションの研究を行なっています。 ウェアラブルやユビキタスセンサを統合し、遠隔地自然環境とユーザーの間を物理的に分断したままで、全体として高度な情 報処理・持続的社会を実現する情報システムの研究です。本作品は東京大学空間情報科学研究センター・大学院農学部生命科 学研究科・大学院新領域創成科学研究科自然環境学専攻の研究者らによって富士癒しの演習林で行われているサイバーフォレ スト研究の成果の一つです。

http://kobayashi-lab.com/

 

PARADISE AIR
Long Stay Program - Open Studio

オープン・スタジオ

開催場所:PARADISE AIR

PARADISE AIRロングステイ・プログラムでは、国際的な活躍を目指すアーティストを国外から公募、外部審査員を招いて選考をおこない招へいします。招へいアーティストには、 渡航費、制作費、滞在費などの資金およびさまざまな物的・人的サポートを提供。自己紹介プレゼンテーション、オープンスタジオ、成果発表といったコミュニケーションの場を設けることで松戸市民の方や松戸のまちそのものと深く関わりながら松戸での滞在制作を行なっています。科学と芸術の丘ではアーティストとクリエイターのための普段は入れないスタジオを特別公開します。

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PARADISE AIR

パラダイス・エアは松戸駅前にあるかつてホテルだったビルを活用して運営されているアーティスト・イン・レジデンスです。 アーティスト・イン・レジデンス(Artist In Residence)とは、芸術家に一定期間、滞在場所と制作場所を提供し、移動と制作活動を支援する取り組みのこと。江戸と水戸をつなぐ拠点として多くの旅人が行き交った松戸宿の歴史伝統をふまえた「一宿一芸」をコンセプトとするパラダイスエアは、アーティストの国際的な滞在制作拠点となることを目指しています。

paradiseair.info

0!

「科学と芸術の丘」を運営する0!(清水陽子、omusubi 不動産、PARADISE AIR)を紹介する展示。0! のロゴマークを作成したパリ在住の新進気鋭の理系デザイナー、Pierre VOISIN(ピエール・ヴォアザン)による作品もご覧いただけます。

展示場所:戸定邸(戸定歴史公園内)

Featured designer : Pierre VOISIN

Chiba University

エディブル・ガーデン

開催場所:千葉大学松戸キャンパス内
主催:千葉大学園芸学部 木下勇教授研究室・みどりの回廊ワーキンググループ

木下勇教授研究室の学生の皆さんが進めている、に見た目にも美しいエディブル・ランドスケープ(食べられる景観)づくり。JR松戸駅から千葉大学松戸キャンパス周辺エリアがエディブルウェイ(食べられる道)として、地域住民の皆さんが育てるプランターが増えています。本イベントでは、キャンパス内にエディブル・ガーデンをつくって、活動内容をまとめたパネルなども展示し、来場者の皆さんに散策を楽しんでもらいながら、対話や学びの場を提供します。

竹のインスタレーション

開催場所:千葉大学松戸キャンパス内
主催:千葉大学園芸学部三谷徹教授・章俊華教授・霜田亮祐准教授と学生の皆さん

今年9月、北京林業大学で学生の皆さんが作った、竹を使ったインスタレーションを、キャンパス内に再現。多数のトークイベントが行われる「100周年記念戸定ケ丘ホール(千葉大学園芸学部内)」前に設置して、自然の大切さや自然との共存などを「アート」という視点で表現、来場される皆さんに思いをめぐらせてもらいます。

千葉大学園芸学部・大学院園芸学研究科

千葉大学園芸学部・大学院園芸学研究科の学舎は、ゆったりと流れる江戸川のほとり、富士山を遠望する緑豊かな丘の上に広がっています。都心から20分という都市環境にありながら、自然に恵まれ、多様な動植物で構成されたキャンパスです。本学部は、100年をこえる、アジアで最も伝統ある、園芸関連科学とランドスケープの専門学部です。その教育・研究の対象は、園芸作物の栽培・育種・利用技術と造園に関わる技術から、生命科学(バイオテクノロジー)、環境科学、社会科学へと広がり、人々のクオリティオブライフをいかに実現するか、地球環境を持続可能な都市をいかに再設計するかといった現代的な課題に対して、学問を深く探究するとともに、社会の人々とともに考え実践しながら取り組んでいます。

http://www.h.chiba-u.jp

 

Life is Tech !

松戸市の学生による映像作品上映会

日時:10月21日(日)11:00-17:00
展示場所:松戸フューチャーセンター

“MATSUDO”まつどCM大賞受賞作品をはじめ、松戸市出身の中高生・大学生が制作した映像作品の上映会を行います。そのほか、7月に松戸市の中高生向けに「Matsudo Creative Tour2018」を実施した「Life is Tech !」のプログラムに過去に参加した中高生・大学生が制作した映像作品を上映します

上映作品紹介(一例):“MATSUDO”まつどCM大賞受賞作品。少年が駆ける松戸の夕暮れ、そして様々な景色。“ぼく”ラムネの瓶を通して見たような爽やかな夏の松戸を”ぼく”と一緒に巡る。