――まず、率直に、科学と芸術の丘はどのようなイベントでしょうか?
今回のフェスティバルは、アートだけではなくて、科学と芸術のどちらも扱っているところが、大きなポイントです。日本だと、アートプロジェクトや地域アートが、結構盛んになってきていますが、その文脈とはまた別のところで、松戸で違う動きができたらいいのかなと思いますね。
地方で科学をメインにするプロジェクトはまだ少ないですが、そういうものの走りになっていくと面白いのかなって。科学的なアプローチで街と関わっていくことは、結構可能性があると感じていて、僕自身も松戸でどうゆうリアクションが返って来るのか未知数ですが、運営側としても反応が楽しみです。
――庄子さんご自身は、これまでどのような活動をされてきたのでしょうか?
僕はもともと音楽が専門で、大学のときは、プログラミングなどで音楽を作るコンピュータ音楽をやってきたんですけど、今考えてみると、プログラミングとかって、結構まちづくりとかアートプロジェクトとかに近いところがあるなと思います。シンセサイザーでは、この機械とこの機械をつなぐと、こういう音がするな、とかを想像して配線をします。それはまちづくりでいうと、この人とこの人を出会わせたらすごい面白いことが起こりそうだな、ということと同じで、すごく音楽と似ている気がします。
また、電子音楽以外に、即興演奏もずっと行っているのですが、即興演奏もすごくまちづくりに近いところがあります。例えば、自分の出す音はコントロールできると思うんですけど、他の人の出す音ってコントロールできないじゃないですか。でも、予想できない中で、あの人がこういう音を出すかなと思って、次の音を出していくと、それでひとつの音楽になっていく。
1つの音楽とか、1つの街があったときに、色んな人の自由な表現や音を、いい意味でも悪い意味でも全部受け入れざるを得ないというところがあって、そのなかで自分がどのような動きができるのかを常に考える。そういう意味で即興演奏とまちづくりはすごく近いところがあるのかなって感じています。
そして、もともとは音楽のアートピースを作るところから、今はどちらかというと、音楽のある場所や空間を作る方にだんだん興味がうつって、アーティストを海外から日本に呼んでコンサートを企画したりなど、プロデュースの仕事を松戸でやっています。