PARADISE AIR*庄子渉さんインタビュー】#丘のうえの人たち4

今回は、“丘のうえの人たち”と題して、科学と芸術の丘に関わる方々のインタビューをお届けします。
4回目のゲストは、「科学と芸術の丘」の立ち上げメンバーの1人であるPARADISE AIRの庄子渉さんです。

 

プロフィール:庄子渉

PARADISEAIR プロデューサー、音楽家、アートコーディネーター。 

1987年、仙台市出身。2010年、東京芸術大学音楽学部音楽環境創造科卒業。専門はコンピュータ音楽/インプロヴィゼーション。在学中、音楽家や建築家とともに古民家を改装したアートスペース「おっとり舎」を立ち上げ、国内外のアーティストを迎えて様々な公演や展示の企画、制作を行う。2013年より、アーティスト・イン・レジデンス「PARADISE AIR」を立ち上げ、アーティストや行政、住民と協働しながら、地域資源を活かした創造的なまちづくり「暮らしの芸術都市」に取り組んでいる。

 


即興音楽もまちづくりも、何が起こるかわからないからこそ面白い

――まず、率直に、科学と芸術の丘はどのようなイベントでしょうか?

 

今回のフェスティバルは、アートだけではなくて、科学と芸術のどちらも扱っているところが、大きなポイントです。日本だと、アートプロジェクトや地域アートが、結構盛んになってきていますが、その文脈とはまた別のところで、松戸で違う動きができたらいいのかなと思いますね。

地方で科学をメインにするプロジェクトはまだ少ないですが、そういうものの走りになっていくと面白いのかなって。科学的なアプローチで街と関わっていくことは、結構可能性があると感じていて、僕自身も松戸でどうゆうリアクションが返って来るのか未知数ですが、運営側としても反応が楽しみです。

 

――庄子さんご自身は、これまでどのような活動をされてきたのでしょうか?

 

僕はもともと音楽が専門で、大学のときは、プログラミングなどで音楽を作るコンピュータ音楽をやってきたんですけど、今考えてみると、プログラミングとかって、結構まちづくりとかアートプロジェクトとかに近いところがあるなと思います。シンセサイザーでは、この機械とこの機械をつなぐと、こういう音がするな、とかを想像して配線をします。それはまちづくりでいうと、この人とこの人を出会わせたらすごい面白いことが起こりそうだな、ということと同じで、すごく音楽と似ている気がします。

また、電子音楽以外に、即興演奏もずっと行っているのですが、即興演奏もすごくまちづくりに近いところがあります。例えば、自分の出す音はコントロールできると思うんですけど、他の人の出す音ってコントロールできないじゃないですか。でも、予想できない中で、あの人がこういう音を出すかなと思って、次の音を出していくと、それでひとつの音楽になっていく。

1つの音楽とか、1つの街があったときに、色んな人の自由な表現や音を、いい意味でも悪い意味でも全部受け入れざるを得ないというところがあって、そのなかで自分がどのような動きができるのかを常に考える。そういう意味で即興演奏とまちづくりはすごく近いところがあるのかなって感じています。

そして、もともとは音楽のアートピースを作るところから、今はどちらかというと、音楽のある場所や空間を作る方にだんだん興味がうつって、アーティストを海外から日本に呼んでコンサートを企画したりなど、プロデュースの仕事を松戸でやっています。


松戸には、まだまだ街の余白がある

――もともと松戸とはどのような関係があったのですか?

 

大学のときは隣の北千住にキャンパスがあって、そこをフィールドにアートスペースを運営したり、色々な活動をしていました。そのときのご縁で、松戸で新しく立ち上げるまちづくりの仕事のお話をいただいて、そこから松戸に関わるようになりましたね。

実は、僕はもともと松戸の隣町の柏に住んでいたんですけど、松戸は柏とも北千住とも違う街の雰囲気があるなと感じました。柏は、同じ千葉県内ですが、結構開発されてしまっている印象があって、反対に北千住は、まだ下町の雰囲気が残っていて。それに比べると、松戸は新しいスポットは少ないですが、まだまだ街の余白があるなって気がしたんですね。

そこで、松戸でコンサートなどを色々開催してみると、街の人たちの反応がすごく面白くて、新しいことをやるのによさそうだなという可能性を感じました。なので、今もずっと松戸で活動をしています。

そして、2013年からは、単発のイベントだけではなくて、アーティストがまちと出会うという非日常的なものを日常的にしていきたいという思いで、PARADISE AIRというアーティスト・イン・レジデンスのプロジェクトを始めました。アーティストが常に街の中にいる状態を作ることで、松戸の方々の日常生活に、少しでもアートの要素が入っていけば面白いなと思っています。

 

⇒PARADISE AIR:http://paradiseair.info/

 

――なるほど。では、今回は自分と異なる分野の人たちとプロジェクトを動かしていくことに、どのような面白さを感じてらっしゃいますか?

 

このフェスティバルに限ったことではないですが、ふだんから分野が違う人たちと一緒に何かやるのは結構好きなタイプです。今回、総合ディレクターをつとめる清水さんも、僕が知らない科学の世界をたくさん持っている方だと思うので、面白いものができそうだなって感じがしますね。

新しいこととか、よくわかんないこととか、予想できないこととかが好きなタイプなので、楽しいですよ。そこらへんも、即興音楽とかが好きなのとも、繋がっているのかもしれません。

 

――どんなフェスティバルになるのか楽しみです!では、科学と芸術の丘には、どのような期待をされていますか?

フェスティバルとして何が成功かってすごく判断しづらいと思うんですけど、極端に言えば、開催できればそれで成功と言えるところはあるのかなって気がしていて。実行してみて、色んな問題や課題が出てきたら、それはまた次の年に生かせると思うので、今年はとにかくやれることをすべてやってみたいです。せっかくの機会だから、今年は色々な人にとっての「実験の場」になればいいのかなって思います。そのうえで、将来的にこのフェスティバルがどうなっていくのかっていうのは、みなさんと一緒に考えていきたいですね。

 

――では、最後にこのブログを読んでくださったみなさんにひと言お願いします!

科学と芸術の丘は、今年が初開催で、自分自身も何が起こるかわからないところもあるんですけど、そういうどきどきも含めて、みなさんに楽しんでいただけたら嬉しいです!

 

――ありがとうございました!

 

  • 編集
 
 

ライター:まきのまあや
東京大学多文化共生・統合人間学コース在学
シンガーソングライター/ライター

多様ないのちがともに生きる“共生”をテーマに、東京大学で研究をしながら音楽活動や文筆活動、イベント企画などを行う。音楽やことばを通して、“みんなの広場”をデザインしたい。

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