――戸定邸では歴史的な文化施設として市民の方に開放するだけでなく、様々なイベントを行っています。どうしてそのような活動をされているのですか?
文化財を扱うという事は、文化財とは何か、という原点を常に考え続けないといけません。
世界遺産や、国宝はそれだけでも一般にはすばらしいと言われます。では、それが成立するのはなぜなのか?なぜ文化財は重要で、残さなければいけないのか?
文化財が残っているということは、そこには一定の普遍的な価値があり、しかも時代が変わっても、新しい意味や価値を生み出し続けているはずです。
大切なことは、今における価値は何なのかということです。文化財について考える場合、過去、現在、未来の3点を考えていくことが必要になります。
そのように幅広い視点で活動する場合、色々な分野で活躍している方たちとコラボすることで、現代における新しい意味を発見することができると考えています。
おそらく今回、フェスティバルへお声がけをいただいたのは、日頃からそのよう意識で広く活動を行っていたからなのかなと思いますね。